
ふくらみの下に影ができる目元、手術の前に整理したいこと
夕方の商談前、化粧室の照明の下で、目の下のふくらみとその下に続く溝が気になる。コンシーラーを重ねるほど、かえって段差が浮いて見える。そんな目元では、脂肪のふくらみ、溝、皮膚のたるみが重なっていることが少なくありません。
どれが主な要因かによって、裏ハムラ法と表ハムラ法のどちらを検討するかが変わります。この記事では、診察で確認する点、術後の凹凸や腫れの考え方、相談前に用意しておきたい質問をまとめました。仕事と育児の予定を組み立てる材料として、手術を決める前の確認に使ってください。
この記事の要点まとめ
- 脂肪のふくらみ、溝、皮膚の余りや張りを診察で確認し、裏ハムラ法・表ハムラ法などの方針を相談します。
- 術後の腫れによる一時的な凹凸と残る段差を分け、写真や診察で経過を確認します。
- 仕事や育児の予定に合わせ、通院日、費用の総額・内訳、リスクや術後の連絡先を事前に確認します。
目次
- ふくらみ・溝・たるみは診察でどう見分ける?
- 裏ハムラ法と表ハムラ法は、どんな状態で選び分ける?
- 裏ハムラ法の術後に凹凸やくぼみが見えたら、どう判断する?
- 腫れや傷跡は、仕事への復帰にどう影響する?
- 手術前に相談するとき、何を聞いておく?
ふくらみ・溝・たるみは診察でどう見分ける?
同じ「目の下のくぼみ」でも、脂肪による段差、皮膚の余り、頬との境目のどれが主体かによって、手術の方針は変わります。そのため診察では、正面だけでなく斜めからの陰影や左右差まで確かめます。
眉・まぶた・頬を一つの構造として捉える考え方は、眼の周囲の手術に関する報告でも示されています1。ただし、この文献は眉の引き上げを扱ったもので、下まぶたの術式を直接検証したものではありません。
涙袋の下の溝は、脂肪のふくらみで強調されている?
多くの場合、溝の暗さは、その上にある眼窩脂肪(眼球を包むクッションの役目をする脂肪)のふくらみに強調されています。ふくらみが前に出るほど、すぐ下の溝は相対的に暗く見えます。
くぼみを一律に「脂肪が足りない」と捉えないことが出発点です。照明の向きを変えて影がどう動くか、溝が頬までどうつながっているかも確認します。
皮膚のたるみやシワは、脂肪を移すだけで変わる?
脂肪の段差をならしても、余った皮膚や細かなシワまで消えるとは限りません。診察では主に次の点を確かめます。
- 下まぶたの皮膚をつまんだときの余り具合
- 上を見たときに出るシワの位置と深さ
- 下まぶたを軽く引いて離したときの戻り方(張り)
皮膚の張りが弱い場合は、術式の選び方だけでなく、術後に下まぶたの形が変わる可能性にも配慮が必要です。
頬との境目や左右差は、どの角度で確認する?
正面、斜め45度、うつむいたとき、笑ったときの見え方を比べます。左右差はもともと誰にでもあるため、術前の写真で共有しておくと、術後に気になった差が以前からあったものかどうか判断しやすくなります。
私は、目の下だけを主役にせず、頬や目元全体の土台との関係で考えることを心がけています。出ているものは引き算し、足りないところには適切に足し算します。取り過ぎても足し過ぎても、顔全体になじむ変化からは遠ざかってしまうためです。
裏ハムラ法と表ハムラ法は、どんな状態で選び分ける?

判断の軸は、切開する場所そのものよりも、脂肪による段差と皮膚の余りをそれぞれどう扱うかにあります。皮膚の余りが少なければ裏ハムラ法、皮膚のたるみにも手を加える必要があれば表ハムラ法が検討されます。
| 比べる点 | 裏ハムラ法 | 表ハムラ法 |
|---|---|---|
| 切開する位置 | 下まぶたの裏側(結膜) | まつ毛の下付近の皮膚 |
| 脂肪の扱い | 溝の部分へ移して固定 | 溝の部分へ移して固定 |
| 皮膚への処置 | 基本的に行わない | 余った皮膚の切除を検討できる |
| 術前に確かめたいこと | 皮膚の余りの程度 | 傷跡の見え方、下まぶたの形の変化 |
この表は一般的な違いを整理したものです。実際には、脂肪の量や皮膚の張りを診たうえで、処置の範囲を個別に決めます。
裏ハムラ法は、ふくらみと溝がある人に向いている?
裏ハムラ法(経結膜的眼窩脂肪移動術)は、下まぶたの裏側から脂肪の移動を検討する方法で、処置の範囲は医師が判断します。ふくらみと溝が並んでいて、皮膚の余りが少ない方に検討されることが多い術式です。
皮膚の表面に切開線を置かないのは特徴の一つです。ただし、表に傷がないことと、凹凸が生じないことは別の話です。移した脂肪の位置や治癒の過程によっては、段差が見えることもあります。
表ハムラ法は、皮膚のたるみがある場合にどう検討する?
表ハムラ法は、まつ毛の下付近から脂肪の移動や皮膚の切除を検討する方法です。処置の範囲は医師が判断します。脂肪の段差に加えて、皮膚のたるみやシワも気になる方の選択肢になります。
一方で、切開線の赤みが落ち着くまでの経過には個人差があります。また、下まぶたの形の変化には個人差があるため、外反についても術前に医師へご相談ください。
脱脂だけで溝も薄くなる、という考えは妥当?
脱脂(経結膜脱脂法)は脂肪を減らす処置です。脂肪を移して段差をならすハムラ法とは、目的が異なります。
ふくらみが主体であれば脱脂が検討されることもあります。しかし、溝がすでに目立っている状態では、ふくらみが減ることでかえってくぼみが強調される可能性があります。
ポイント
処置を足すか引くかを決める前に、影の原因が「出ているもの」なのか「足りないもの」なのか、それとも皮膚の余りなのかを見極めます。
裏ハムラ法の術後に凹凸やくぼみが見えたら、どう判断する?

術後早期に腫れのせいで生じる見え方と、腫れが引いたあとも残る段差は、分けて考えます。判断を急がず、経過写真と診察で変化を追いながら、施術を担当した医師と相談するのが基本です。
腫れによる一時的な段差と、残る凹凸はどう違う?
術後しばらくは、むくみや内出血によって左右の膨らみ方が日ごとに変わり、段差のように見えることがあります。朝と夕方で見え方が違うのも、この時期にはよくある経過です。
毎回同じ照明と角度で写真を残し、再診のときに見せましょう。変化が落ち着いてきているかどうかを、医師と共有しやすくなります。修正を考える時期は、経過を診たうえで個別に相談します。
クマ取りの脱脂後に目がくぼむのはなぜ?
脱脂後のくぼみには、ふくらみが減ったことで、もともとあった溝や眼窩のくぼみが表に出てくることが関わっていると考えられます。これに対して、裏ハムラ法後の凹凸には、移した脂肪の位置や量のばらつき、治癒に伴う組織の硬さなどが関わります。
同じ「くぼみ」でも、原因が違えば検討する方法も変わります。相談の際は、段差・左右差・しこりがどこにあるか、過去にいつ、どの施術を受けたかを伝えてください。
残る段差には、注入と再手術のどちらを考える?
くぼみの位置、皮膚の状態、移した脂肪の位置を確認したうえで、ヒアルロン酸注入、脂肪注入、追加のハムラ法などを比べて検討します。
注入は手軽に見えますが、入れ過ぎてふくらみが出る過矯正や、複数回の調整が必要になる場合もあります。症状の名前だけで方法を決めず、原因を調べてから選ぶことが前提です。
ポイント
術後早期の見え方だけで修正を決めず、腫れが引く経過を写真と診察で確かめてから、原因に合った方法を相談します。
腫れや傷跡は、仕事への復帰にどう影響する?
人前に出る予定を組むときは、腫れや内出血に加えて、表ハムラ法であれば切開線の赤み、さらに再診日も見込んでおく必要があります。見た目が落ち着く時期には個人差があり、日数を一律にお約束することはできません。
まぶたの手術では、見た目だけでなく、目の乾きや見え方への影響も評価の対象とされています23。ただし、これらは上まぶたの手術に関する研究で、ハムラ法の回復日数を示すものではありません。
腫れ・内出血がある間、対面会議はどう予定する?
術後しばらくは、腫れや内出血で目元の印象が変わる可能性があります。取引先との大切な会議や学校行事の直前は避け、前後に余裕を持たせた日程にしておくと慌てずに済みます。
眼鏡やメイクでどこまで隠せるかは、経過によって変わります。メイクの再開時期も含めて、医師に確認してください。
表ハムラ法の切開線は、どこを確認する?
術前に、次の3点を尋ねておきましょう。
1. 切開線がまつ毛の生え際からどのあたりに来るか
2. 赤みが目立つ期間の見通し
3. 下まぶたの形が変わる可能性
裏ハムラ法は皮膚の表面を切らないため、表に切開線はできません。ただし、結膜側の傷やむくみの経過はあります。
経過観察を待たずに連絡したい症状は?
次のような症状があれば、予定の再診を待たずに施術先へ連絡してください。
- 物が二重に見える、視界がかすむなど、見え方が急に変わった
- 痛みや腫れが日ごとに強くなっている
- 片側だけが急に膨らんできた
まぶたの手術後に見え方が変わった場合は、医師にご相談ください。休日や夜間の連絡方法を予約前に聞いておくと、いざというときに慌てずに済みます。
手術前に相談するとき、何を聞いておく?
自分の溝とたるみにどの処置を行うのか、術後の予定、費用に含まれる項目。この3点を確認しておくと、治療方針を判断しやすくなります。術後の経過やダウンタイム、リスク・副作用についても、カウンセリングで説明を受けておきましょう。
症例写真では、どの条件をそろえて見る?
術前の溝や皮膚のたるみの程度、術式、術後の撮影時期、角度や照明がそろっているかを見ます。あわせて、症例ごとに治療内容・期間・回数・費用(総額と内訳)・主なリスクや副作用が、写真と同じ場所に同等の文字サイズで書かれているかも確認してください。
写真だけで自分に合うかどうかを決めず、自分と条件が近い症例かどうかを診察で尋ねましょう。
担当医には、どの処置とリスクを尋ねる?
たとえば、次のような質問が考えられます。
- 脂肪をどの範囲へ移すのか、取り除く分はあるのか
- 皮膚の切除は必要か、必要ならどこを切るのか
- 左右差や下まぶたの形の変化が出たとき、どう対応するのか
肩書きや知名度よりも、その説明が自分の目元に即しているかどうかを判断の基準にしてください。
手術費用には、どの診察や処置が含まれる?
麻酔、検査、薬、再診、術後の処置、再治療になった場合の扱いが含まれているかを確認します。ハムラ法は自由診療(公的医療保険の対象外)です。
一般的に、治療は原則1回の手術で行い、術後は抜糸や経過確認のために数回の再診があります。腫れや内出血の落ち着き方には個人差があります。経過観察の期間は医師にご相談ください。費用は、術式や処置の範囲、麻酔の方法などによって変わります。複数の医療機関が公開している価格をみると、両目の手術代として、裏ハムラ法はおおよそ30万〜80万円程度、表ハムラ法はおおよそ40万〜100万円程度と幅があります。このほか、静脈麻酔などの麻酔代、術前の検査代、薬代、再診料が手術代とは別にかかる場合もあります。これらは一般的な相場であり、当院の費用ではありません。診察料・麻酔・薬・術後の診察が含まれるかどうかも医療機関により異なるため、総額と内訳を確認してください。ハムラ法の費用は、医療機関や処置の内容によって異なります。当院の費用は診察のうえでご案内します。
腫れ、内出血、左右差、凹凸やくぼみ、物が二重に見えるといった症状の出方には個人差があります。表ハムラ法の傷跡や下まぶたの形の変化も含め、医師にご相談ください。
美容目的の手術と医療費控除の関係は、税務署などでご確認ください。
仕事と育児に合わせ、通院日はどう組む?
術後の診察がいつ頃、何回あるのか、急な症状が出たときの連絡先はどこか。予約の前に聞いておきましょう。KIMI CLINIC 形成・美容外科は近鉄奈良線の河内小阪駅から徒歩2分の場所にあります。
対面会議やお子様の行事を手帳に書き出してからカウンセリングに臨むと、手術日と再診日の候補を具体的に相談できます。
よくある質問
Q. 裏ハムラ法のあとに、物が二重に見える(複視)ことはありますか?
A. 物が二重に見えるなど、術後の見え方に関する不安は医師にご相談ください。起こりやすさや経過には個人差があるので、術前に医師へ確認しておきましょう。術後に見え方の変化を感じたら、再診を待たずに施術先へ連絡してください。
Q. まぶたへの脂肪注入のダウンタイムはどのくらいですか?
A. 注入する量や脂肪を採取する部位によって、腫れや内出血の出方は異なります。期間を一律に示すことは難しいため、ご自身の予定とあわせて医師にご相談ください。
Q. 裏ハムラ法の第一人者は誰ですか?
A. 特定の医師名で選ぶよりも、ご自身の目元の状態についての説明、条件の近い症例、術後の対応を確かめることが判断材料になります。説明に納得できるかどうかを基準にしてください。
Q. 裏ハムラ法と、目頭切開など他の目元の手術を同時に受けられますか?
A. 状態によっては組み合わせて検討することもあります。ただし、処置の範囲が広がると腫れが出る範囲も広がる可能性があります。同時に行うか分けて行うかは、仕事の予定も含めて医師と相談しましょう。
参考文献
1. Pascali M, Massarelli O. The Temporal Subcutaneous Brow Lift with Orbicularis Oculi Muscle Elastic Flap: Technical Considerations, Systematic Review, and Terminology Standardization. Facial Plastic Surgery. 2023. PMID: 36174656 / DOI: 10.1055/a-1953-2304
2. Rodrigues C, Carvalho F, Marques M. Upper Eyelid Blepharoplasty: Surgical Techniques and Results-Systematic Review and Meta-analysis. Aesthetic Plastic Surgery. 2023. PMID: 37430010 / DOI: 10.1007/s00266-023-03436-6
3. Todorov D, Mitchell S, Al-Hashimi M, et al. Functional and Aesthetic Outcomes After Upper Blepharoplasty: A Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Control Trials. Aesthetic Surgery Journal. 2025. PMID: 40152471 / DOI: 10.1093/asj/sjaf022
2009年 慶應義塾大学 医学部形成外科学教室 入局
慶應義塾大学病院形成外科
東京都立小児総合医療センター形成外科
大阪市立総合医療センター形成外科 等勤務
Bloomfield hospital plastic surgery department
Oxford university craniofacial unit
Birmingham children‘s hospital craniofacial unit 留学
2022年 共立美容外科 京都院院長
2024年 KIMI CLINIC 形成・美容外科 開院
頭蓋顎顔面外科学会認定専門医
日本形成外科学会小児形成外科分野指導医
日本美容外科学会(JSAPS)会員
マイクロサージャリー学会会員
オンコプラスティックサージャリー学会会員
日本口蓋裂学会会員
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