鼻先の丸みや小鼻の広がり、ヒアルロン酸注入で改善可能か解説|KIMI CLINIC 鼻先の丸みや小鼻の広がり、ヒアルロン酸注入で改善可能か解説|KIMI CLINIC

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鼻先の丸みや小鼻の広がり、ヒアルロン酸注入で改善可能か解説

鼻先の丸みや小鼻の広がり、ヒアルロン酸注入で改善可能か解説

注射では届かなかった部分を、どう変えるか


3年前に鼻筋へヒアルロン酸を入れたのに、鼻先の丸みと小鼻の広がりはそのままだった——大阪でのご相談でも、こうしたお話は珍しくありません。注入で形を出しやすい部位と、軟骨や支持構造そのものを扱わなければ変わりにくい部位は、解剖学的にかなりはっきり分かれています。この記事では、部位ごとの適応の境界線、注入を重ねた場合に組織へ生じる変化、そして過去に注入歴がある方が手術を検討する際の確認点を順に整理します。判断の軸は「足す治療か、構造を変える治療か」です。


この記事の要点まとめ


  • 鼻先の丸みや小鼻の広がりは軟骨などの構造が関わるため、注入ではなく手術が検討対象となりやすい部位です。
  • 注入の継続は組織へ影響を及ぼす可能性があるため、状態に応じた丁寧な確認が大切です。
  • 過去に注入歴がある場合は、製剤の残存や回復期間を考慮して日程を逆算することが目安になります。

目次



鼻先の丸みや小鼻の広がりはヒアルロン酸で変えられる部位なのか

鼻先の丸みや小鼻の広がりはヒアルロン酸で変えられる部位なのか

同じ「鼻」でも、皮膚の厚み、その下にある軟骨や骨の形、血管の走り方は場所ごとに違います。注入で変化を出しやすい部位とそうでない部位が分かれるのは、この構造の差が理由です。


鼻筋(鼻背)・鼻根部への注入が改善につながりやすい理由


眉間から鼻筋にかけての領域は、皮膚と鼻骨のあいだに骨膜上の比較的ゆとりのある層があります。ここへ製剤を少量ずつ置くと、正中に稜線が立ち上がり、凹凸のなだらかな補正がしやすくなります。ヒアルロン酸を用いた非外科的な隆鼻は2000年代半ばから手技として広がり、鼻背のわずかな段差や鼻根部の落ち込みに対して用いられてきました3。ただし、ここで足しているのはあくまで体積です。注入が得意とするのは「凹んだ場所を埋める」方向の変化で、前方へ大きく突出させる方向には生理的な上限があります。


鼻に用いるヒアルロン酸製剤には、国内で医薬品・医療機器として承認されているものと、承認されていないものがあります。国内で承認された製剤は国内の医薬品卸から仕入れており、国内未承認の製剤を使用する場合は、医師の判断による個人輸入で入手しています。しわの改善などを効能・効果として国内で承認されたヒアルロン酸注入材はありますが、鼻の形を整える目的での使用は、承認された効能・効果の範囲外(適応外使用)となる場合があります。また、諸外国で使用されている製剤であっても、安全性に関する情報が十分に確認できないものがあり、重大なリスクが明らかになっていない可能性があります。国内未承認の製剤の使用、および承認された効能・効果の範囲外での使用は、医薬品副作用被害救済制度・医療機器等被害救済制度の対象外です。


鼻先(鼻尖)への注入が向かない医学的理由と血流の懸念


鼻先は皮膚と皮下組織が厚く、内部では外鼻動脈などが密に走行します。アジア人を対象としたコンセンサス提言でも、鼻背・鼻尖・鼻柱それぞれで血管解剖を踏まえた製剤選択と手技の標準化が必要とされ、鼻は合併症リスクを踏まえた慎重な手技が求められる部位と位置づけられています4。そもそも団子鼻の丸みは大鼻翼軟骨の形と、その上を覆う軟部組織の厚みでできています。そこへ体積を足せば、輪郭はむしろぼやける方向へ働きかねません。血管の閉塞や皮膚の血流障害、まれに視力に関わる合併症の報告もあり、注入する層と量の管理が欠かせない領域です4


小鼻の広がりがヒアルロン酸注入の適応外とされる背景


小鼻(鼻翼)の広がりを決めているのは、鼻翼の皮膚・軟部組織の量、鼻翼軟骨の開き具合、そして鼻翼基部がどこに付着しているかという三つの要素です。減らす・寄せるという方向の変化が必要になるため、体積を足す注入では鼻孔の横幅そのものは動きません。鼻筋に高さが出ると相対的に小鼻が小さく見えることはありますが、それは錯視による見え方の変化であり、実寸が縮んだわけではない点は押さえておきたいところです。


手術でなければ変えられない部位—鼻尖形成・プロテーゼや自家組織移植・小鼻縮小の役割

手術でなければ変えられない部位—鼻尖形成・プロテーゼや自家組織移植・小鼻縮小の役割

ヒアルロン酸が「足す」治療だとすれば、手術は「構造を組み替える」治療です。扱う対象が軟骨や骨、支持構造そのものである点が、注入との決定的な違いになります。


鼻尖形成術が団子鼻の軟骨構造にどう働きかけるか


鼻尖形成では、左右に開いた大鼻翼軟骨を縫合で寄せ、鼻先に厚く乗った軟部組織を整理して輪郭をまとめていきます。丸みの原因そのものに触れるため、注入では出せない方向の変化が設計できます。一方で、軟骨には元の位置へ戻ろうとする反発力があり、支えが不十分だと時間経過とともに形が緩む方向へ働きます。そのため支柱(ストラット)の設置や鼻中隔への固定を組み合わせるかどうかが、術式選択の分かれ目になります。全身・局所を問わず手術には出血、感染、左右差、瘢痕といった一般的なリスクが伴うため、周術期の管理を含めた説明を受けておくことが大切です1


プロテーゼや自家組織による隆鼻・鼻中隔延長で高さと角度(Eライン)を作る仕組み


I型のシリコンプロテーゼや肋軟骨などの自家軟骨で鼻すじを高くする手術は、鼻背の骨膜下に支持体そのものを置く方法です。土台から高さを出すため、注入のように横へ逃げにくい設計になります。鼻先の突出量や下向きの角度は、鼻中隔軟骨へ耳介軟骨や肋軟骨などを継ぎ足す鼻中隔延長で組み立てます。横顔のEラインや鼻唇角といった角度に関わる変化は、支持構造をつくる操作が前提になります。非外科的な隆鼻は低侵襲で回復も早い反面、得られる変化の方向性が限られるという性質は、文献でも一貫して指摘されている点です3


小鼻縮小術が必要になる広がりの見分け方


目安として確認するのは三つです。正面から見て鼻翼の幅が両目頭のあいだの距離を明らかに超えていないか、笑ったときに横方向へ大きく開かないか、鼻孔の縦横のバランスが横長に寄っていないか。これらが当てはまる場合、組織量や付着位置そのものを扱う小鼻縮小(鼻翼縮小)が検討対象になります。鼻の内側で処理する内側法と、小鼻の外側の皮膚を切除する外側法があり、後者では傷あとの位置と赤みの経過をあらかじめ確認しておきたいところです。なお、これらの手術はいずれも自由診療で、公的医療保険は適用されません。


ヒアルロン酸を打ち続けた場合に鼻の組織へ生じる変化


一度きりの注入と、数年にわたって繰り返す注入とでは、組織にかかる負荷が変わります。将来的に手術を視野に入れているなら、この点は早い段階で知っておくほうが選択肢が広がります。


皮膚の伸びや被膜形成など繰り返し注入の影響


ヒアルロン酸製剤は体内で分解されますが、架橋の方法によって持続には差があります。鼻唇溝を対象としたランダム化比較試験では、非動物性安定化ヒアルロン酸ゲルが対照製剤より補正の維持される期間が長い傾向が報告されています2。ただしこれは鼻唇溝における知見であり、鼻背など他部位にそのまま当てはまるとは限りません。一般に、同じ部位への反復注入では、皮膚の伸展や製剤周囲の線維性の被膜形成、遅発性の結節(しこり)などが生じる可能性があると考えられています。組織が硬くなった場合、後から手術を行う際に本来の剥離層が判別しにくくなることがあるとされています。


定期的な注入の維持費と手術の一括費用、どちらが負担になりやすいか


一般的な相場としては、鼻へのヒアルロン酸注入は1本あたりおおむね5万〜15万円程度、鼻尖形成やプロテーゼ挿入などの手術はおおむね20万〜60万円程度とされることが多いようです。なお、これらは一般的な相場であり当院の費用ではありません。実際の費用は医療機関により異なり、当院の費用は診察のうえでご案内します。注入の持続は製剤や部位で差がありますが、半年から1年程度で再注入を検討する形が一般的とされます3。年単位で続ければ累積額が手術一回分に近づく場面も出てくるため、総額という視点も判断材料になります。


横に広がった不自然な鼻(アバター鼻)を避けるための注入回数の目安


鼻背の骨膜上は逃げ場の少ない空間です。一度に多量を入れたり、前回分が十分に吸収される前に上乗せしたりすると、製剤が横へ広がり、正面から見て鼻筋が太く平たい印象になることがあります。少量ずつ正中に、層を守って置くこと。そして追加を検討する際は、前回分がどの程度残っているかを触診や超音波で評価してから判断すること。この二点が、輪郭がぼやける方向への変化を避けるうえでの基本的な考え方です4


過去にヒアルロン酸を注入した鼻へ手術を行う際に押さえておきたい注意点


「何年も前だから、もう残っていないはず」と考えて手術に進むと、術中に想定外の組織所見に出会うことがあります。注入歴は、術前情報としてかなり重みのある項目です。


ヒアルロニダーゼでの溶解が必要になる判断基準


判断の材料は、残存している量と場所、そして予定している手術操作の範囲です。鼻背にプロテーゼを入れる計画であれば、骨膜下のポケットを作る層に製剤や被膜が残っていると、左右のずれや輪郭の不整につながりやすくなります。この場合は事前の溶解が前提になりやすい。逆に、小鼻の外側だけを扱う手術で、残存部位が鼻根部に限られるなら、溶解せずに進める判断もあり得ます。ヒアルロニダーゼ自体にもアレルギー反応などのリスクがあり、使用の是非は診察のうえで検討される事項です4


なお、ヒアルロン酸を分解する酵素製剤であるヒアルロニダーゼは、同一成分・同一効能で国内承認されている医薬品がなく、使用する場合は医師の判断による個人輸入で入手しています。諸外国で使用されている製剤であっても、安全性に関する情報が十分に確認できないものがあり、重大なリスクが明らかになっていない可能性があります。国内未承認の医薬品であるため、医薬品副作用被害救済制度の対象外です。


溶解してから手術までに空けておきたい期間の目安


溶解直後は一時的な腫れや軽い炎症反応が起こるため、組織の状態を正しく評価できるまでに時間が要ります。溶解後は腫れが落ち着き、組織の質感まで含めて評価できるようになるまでに一定期間を要するため、個人差を踏まえて余裕を持ったスケジュールを組む考え方が現実的です。式や前撮りなど期限がある場合は、この溶解期間も逆算に含めて計画を立てる必要があります。手術の安全性は周術期の全身状態の評価と管理に支えられている、という前提も忘れないでおきたい点です1


血流障害・皮膚壊死を避けるための術前の確認事項


診察時に伝えておきたいのは、注入の時期・部位・使用製剤・おおよその量、そして注入後にしこりや赤み、圧痛が出た経験の有無です。過去の注入によって局所に瘢痕が生じていると、皮膚側の血流が低下していることがあり、剥離範囲や緊張のかけ方を調整する根拠になります4。皮膚が薄くなっている、色調が均一でないといった所見も、術式選択に影響します。正確に思い出せない場合は、当時の同意書や施術記録を持参すると判断の助けになります。


結婚式までの期間で選ぶ—鼻整形の相談を進める際の考え方


期限が決まっている方ほど、「何ができるか」より先に「いつまでに何を終えるか」から逆算したほうが迷いが減ります。


式までの残り期間別に見るダウンタイムの見通し


期間に余裕があるほど、手術を含めた選択肢を落ち着いて検討しやすくなります。腫れの経過は術式や個人差によって幅がありますが、一般に、術後しばらくは腫れがみられ、細部の質感が落ち着くまでにはさらに時間を要するとされています。残り期間が短くなるほど、扱う範囲が限られる術式や、内出血など目立つ変化を避けた処置に絞る判断が必要になる場合もあります。前撮りと本番が別日なら、早いほうの日程から逆算してください。


カウンセリングで確認しておきたい質問リスト


  • 自分の鼻先の丸みは、軟骨の形と軟部組織の厚みのどちらの影響が大きいか
  • 過去の注入が残っている場合、溶解は必要か。必要なら手術までどれくらい空けるか
  • 提案された術式を選ぶ根拠と、選ばなかった術式との違い
  • 起こり得る合併症と、その際の対応の流れ

当院では、鼻を単独のパーツとしてではなく、額から顎先までのラインや目元との関係のなかで捉える考え方を大切にしています。「どこを高くするか」より「何を支えとして形を保つか」を先に話し合えるかどうかが、相談先を見極めるひとつの目安になります。気になる点は紙に書き出して持参し、その場で決めきれなければ持ち帰って考える——その進め方で構いません。


よくある質問


Q. 鼻へのヒアルロン酸注入は控えたほうがよいと聞きますが、実際はどうなのでしょうか。

A. 一律に避けるべきというより、部位と目的が合っているかで考える問題です。鼻根部や鼻背のわずかな凹みを埋める用途では選択肢になりますが、鼻先や小鼻の形そのものを変える目的には向きません。また鼻は血管の走行が密な領域で、血流に関わる合併症の報告がある部位でもあります。解剖を踏まえた診察のうえで適応を判断することが前提になります。


Q. 鼻のヒアルロン酸はどのくらい持ちますか。

A. 製剤の種類、注入量、部位、代謝によって差がありますが、半年から1年程度で再注入を検討されることが多いとされています。架橋の強い製剤ほど長く残る傾向が報告されている一方、長く残ることが常に望ましいとも限らず、将来の手術予定がある場合は残存の扱いも含めて相談しておくとよいでしょう。


Q. 鼻尖形成を受けても、時間が経つと元に戻ることがあると聞きました。

A. 軟骨には元の位置へ戻ろうとする力があり、皮膚の厚みや張力も形の維持に関わります。支柱の設置や鼻中隔への固定など、支えをどう設計するかで経過の安定性は変わってきます。診察では、この支持構造をどう組み立てる計画かを確認してみてください。


Q. 美容目的の鼻の手術は医療費控除の対象になりますか。

A. 現行の制度では、容ぼうを美化する目的の施術は原則として医療費控除の対象外とされています。機能的な問題への治療に該当するかどうかで扱いが変わる場合があるため、判断に迷うときは税務署や国税庁の案内で確認してください。


Q. 注入と手術、どちらを選ぶか自分で判断できません。

A. 気にしている部位が「凹んでいる」のか「形や量そのもの」なのかを分けて考えると整理しやすくなります。前者は注入の守備範囲に入りやすく、後者は構造を扱う手術の領域です。鏡の前で、正面・斜め・横顔の三方向から気になる点を書き出して相談に持っていくと、話が具体的になります。


参考文献


1. 一般社団法人 日本外科学会(外科一般・手術・術後管理に関する学術情報) https://www.jssoc.or.jp/

2. Narins RS, Brandt F, Leyden J, et al. A randomized, double-blind, multicenter comparison of the efficacy and tolerability of Restylane versus Zyplast for the correction of nasolabial folds. Dermatol Surg. 2003. PMID: 12786700 / DOI: 10.1046/j.1524-4725.2003.29150.x

3. Carson Huynh C, Hamamdjian C. Nonsurgical Rhinoplasty with Hyaluronic Acid. Atlas Oral Maxillofac Surg Clin North Am. 2024. PMID: 38307634 / DOI: 10.1016/j.cxom.2023.10.003

4. Trevidic P, Kim HJ, Harb A, et al. Consensus Recommendations on the Use of Hyaluronic Acid-Based Fillers for Nonsurgical Nasal Augmentation in Asian Patients. Plast Reconstr Surg. 2022. PMID: 35077414 / DOI: 10.1097/PRS.0000000000008722


志藤 宏計

医師


KIMI CLINIC 形成・美容外科

院長

志藤 宏計

▶ 監修者プロフィール

経歴
2007年 新潟大学医学部医学科 卒業
2009年 慶應義塾大学 医学部形成外科学教室 入局
慶應義塾大学病院形成外科
東京都立小児総合医療センター形成外科
大阪市立総合医療センター形成外科 等勤務
Bloomfield hospital plastic surgery department
Oxford university craniofacial unit
Birmingham children‘s hospital craniofacial unit 留学
2022年 共立美容外科 京都院院長
2024年 KIMI CLINIC 形成・美容外科 開院
資格・所属学会
日本形成外科学会認定専門医
頭蓋顎顔面外科学会認定専門医
日本形成外科学会小児形成外科分野指導医
日本美容外科学会(JSAPS)会員
マイクロサージャリー学会会員
オンコプラスティックサージャリー学会会員
日本口蓋裂学会会員

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