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他院注入後のしこりや違和感?追加施術のリスクと判断の目安
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他院注入後のしこりや違和感?追加施術のリスクと判断の目安

他院注入後のしこりや違和感?追加施術のリスクと判断の目安

数年前の注入が気になったまま、追加施術を迷っていませんか

数年前に他院で受けたヒアルロン酸。左右差やしこり感が気になり始めたものの、「当時の注入物がまだ残っているのでは」と思うと追加施術に踏み出しにくい——そんな声をよく伺います。残存の有無を確かめずに重ねて注入すると、輪郭のヨレや血流のトラブルにつながる可能性が指摘されています。この記事では形成外科の視点から、想定されるリスク、超音波検査などで状態を確認する手順、溶解処置を検討する際の目安を整理しました。出発点は「今、何がどこに残っているか」を把握することです。

この記事の要点まとめ

  • 過去の注入物が残る状態での追加施術は、輪郭変化や血流への影響が生じる可能性があります
  • 触診や超音波検査で残存物の層・種類を確認する手順が状態把握に役立つとされています
  • 状態に応じて溶解や外科的処置を検討し、経過観察後に追加施術を計画する進め方があります

他院での注入物が残存している状態で追加施術を行う主なリスク

他院での注入物が残存している状態で追加施術を行う主なリスク

ヒアルロン酸は「半年から1年ほどで吸収される」と説明されることが多いものの、架橋度の高いタイプや注入した層によっては、数年単位で残っている場合もあります。この前提を飛ばして注入を重ねると、次のような事態が起こり得ます。

過剰蓄積による不自然な膨らみや顔貌の変形

残存に気づかないまま少量ずつ足していくと、組織の中で製剤が積み上がっていくことがあります。いわゆるオーバーフィルド(過剰充填)の状態で、頬が横に広がる、笑うと不自然に膨らむ、目の下が重たく見えるといった変化が生じる可能性があります。

注意したいのは、進み方が緩やかで自覚しにくい点。鏡では見慣れてしまい、写真や動画で初めて違和感に気づく方も少なくありません。さらに、内側から押し広げられた皮膚は伸展します。長期にわたって組織が広げられた状態が続くと、注入物が減った後もたるみが残り、修正の難易度が上がる要因になると考えられています。

血管圧迫による血流障害や組織トラブルの可能性

顔面には眼角動脈や顔面動脈をはじめとする血管が密に走っています。すでに製剤がある層へ重ねて注入すると、その区画の内圧が上がり、周囲の細い血管が外側から圧迫される状況も起こり得ます。

血流が滞ると、皮膚の色調変化(蒼白化や網状の赤紫色)、強い痛み、水疱形成といったサインが現れることがあります。こうした所見は早期の対応が求められ、施術直後だけでなく数時間から数日後に生じる場合も。過去の注入層が不明なまま針やカニューレを進めることは、解剖学的な予測を難しくします。 鼻周囲や眉間、いわゆる貴族部位は血管の走行上、とくに慎重な判断が必要とされる領域です。

線維化や異物肉芽腫によるしこりの慢性化

体内に留まった注入物の周りには生体反応として被膜ができ、時間とともに線維化(組織が硬く置き換わる変化)が進むことがあります。触って感じる「しこり」の正体が、製剤そのものではなく周囲の線維組織だったというケースも珍しくありません。

その上に追加注入を行えば、硬い部分と柔らかい部分の境目がより際立ち、表面の凹凸が目立ちやすくなることがあります。また、遅発性の炎症反応として異物肉芽腫が生じ、赤みや腫れを伴って数年後に現れる場合も報告されています。しこりの性状を評価せずに量を足すという判断には、注意が必要です。

注入物の残存状態や種類を把握するための診察・検査手順

「まだ残っているのか」「何が入っているのか」を推測ではなく所見として押さえることが、方針づくりの土台になります。当院では形成外科の解剖学的な視点をもとに、段階を踏んで確認していきます。

触診と視診による組織の硬さや左右差の評価

まずは医師の手と目による診察から。無表情のまま見るだけでなく、笑う・口をすぼめる・上を向くといった動きも加えて観察します。表情筋が動いたときだけ現れる膨らみやヨレは、静止した写真では捉えにくいためです。

触診で見ていくのは、しこりの硬さ、可動性(動かせるか固定されているか)、境界の明瞭さ、圧痛の有無。柔らかく動く塊なのか、皮下に固く癒着しているのかで、想定される病態は変わってきます。あわせて左右差がどの層で生じているのかも確認します。表層の凹凸なのか、深部のボリューム差なのかによって、対応の方向性は大きく異なります。

超音波(エコー)検査を用いた残存物の可視化

触診だけでは、深さや広がりまで把握しきれないことがあります。そこで有用とされるのが超音波(エコー)検査です。放射線被曝がなく、その場で皮下の断面をリアルタイムに確認できる点が特徴です。

ヒアルロン酸は超音波画像上で内部が黒く抜けた無エコー領域として描出されやすく、脂肪組織や線維化した瘢痕とは見え方が異なります。どの層に、どの程度の大きさで、どこまで広がっているのか。血管との位置関係はどうか。こうした情報が視覚化されることで、溶解注射を行う深さや、追加注入を控えたい部位が具体的に見えてきます。ただし、すべての製剤が明瞭に判別できるわけではなく、経過の長い症例では線維組織との区別が難しいことも。必要に応じてMRIなどの精査を検討します。

製剤の種類が不明な場合における慎重な対応策

数年前の施術ですと、使用した製剤名を覚えている方はほとんどいません。この場合、まずはご自身で辿れる情報を集めてみてください。施術時の同意書、領収書、クリニックからの説明資料、予約時のメールに製剤名が残っていることがあります。前医へのカルテ開示請求という方法もあり、診療録は法令上一定期間の保存が義務づけられています。

それでも分からない場合は、ヒアルロン酸以外の可能性——レディエッセやエランセなどの非吸収性・難吸収性フィラー、あるいはアクアフィリングやFGF(成長因子)が使われていた可能性も想定して方針を立てます。これらは溶解注射で分解できないため、同じ対応では対処できません。情報が足りないときほど、足すより確認を優先する姿勢が求められます。

追加注入を進めるか溶解・除去を優先するかの判断基準

追加注入を進めるか溶解・除去を優先するかの判断基準

診察と検査で状態が見えてきたら、次は「このまま形を整えるか」「一度リセットするか」の分岐です。ここは患者さまのご希望だけで決まる部分ではなく、組織の状態に基づいた医学的な判断が必要になります。

ヒアルロニダーゼによる溶解処置を検討すべき状態

ヒアルロニダーゼ(溶解注射)は、ヒアルロン酸を分解する酵素製剤です。次のような所見があるときは、追加注入より溶解を先行させる方針が検討されます。

  • 表面に凹凸やヨレがあり、皮膚が波打って見える
  • 目の下や涙袋が青白く透けて見える(チンダル現象)
  • 左右でボリュームや形状が明らかに違う
  • すでに複数回の注入歴があり、部位が膨らみすぎている

作用の立ち上がりは速やかとされ、注射後数十分から24時間程度で変化を感じ始め、数日から2週間ほどで落ち着いていく経過が報告されています。「少しだけ溶かす」微調整も理論上は可能ですが、酵素は注入物だけを選んで働くわけではなく、周囲の自己組織のヒアルロン酸にも作用します。そのため量と範囲の設定には慎重さが求められ、一度でご希望どおりにならず追加処置が必要になることもあります。まれにアレルギー反応が生じる可能性があるため、事前の問診と体調確認は欠かせません。

非吸収性フィラーや脂肪注入後のしこりに対するアプローチ

溶解注射が働くのはヒアルロン酸に限られます。レディエッセ、エランセ、シリコン系の製剤、アクアフィリング、FGFによる組織増生などは酵素では分解できません。この場合の選択肢としては、炎症性のしこりに対するステロイド局所注射、皮膚の状態や部位に応じた小切開による摘出、脂肪吸引の手技を応用した除去などが挙げられます。

脂肪注入後のしこりも同様で、生着せず壊死した脂肪が石灰化・嚢胞化しているケースでは、注入で覆い隠すのではなく、原因となっている組織そのものへの対応を考えます。当院は形成外科と頭蓋顎顔面外科の知見をもとに診療を行い、皮膚・皮下組織・軟骨・骨といった層構造を踏まえたうえで、外科的処置を含めた選択肢をご提示します。 ただし、切開を伴う処置には傷跡や陥凹といった副反応の可能性があり、どこまで介入するかは相談しながら決めていきます。

組織の回復を待つリセット期間の必要性

溶解や除去を行った直後は、組織に浮腫や炎症が残り、皮膚も一時的にたるんだ状態になることがあります。この段階で「へこんだから足したい」と急ぐと、最終的な形が読みにくくなります。

目安として溶解後2週間から1ヶ月程度は経過を見て、腫れが引き、皮膚の収縮が進んだ状態を評価してから次の計画を立てます。外科的な除去を行った場合は、瘢痕が成熟するまでさらに時間を要することもあります。回り道に感じられるかもしれませんが、いったん土台をフラットに戻してから設計し直すほうが、結果として調整の回数が少なく済む傾向があるとされています。

納得のいく修正治療を受けるためのカウンセリング受診のポイント

他院での施術歴がある方のご相談は、情報の整理次第で診察の精度が変わります。受診前にできる準備と、医師とのやり取りで押さえておきたい点をまとめます。

過去の施術履歴や違和感の経過を整理して伝える工夫

診察室で「たしか3年くらい前に……」と記憶を辿るより、あらかじめメモにまとめておくほうが、限られた時間を活かせます。整理しておきたい項目は次のとおりです。

  • 施術を受けた時期(年月まで分かれば望ましい)
  • 注入した部位と、おおよその量
  • 製剤名(同意書や領収書に記載がある場合)
  • 違和感やしこりを自覚し始めた時期
  • その後の変化(大きくなった、痛みが出た、変わらないなど)
  • 他院で受けた説明や、対応が難しいと伝えられた経緯があればその内容

あわせて、施術前・施術直後・現在の写真を時系列で持参すると、変化の経過が客観的に伝わります。正面だけでなく斜め45度と側面、無表情と笑顔の両方があると、より参考になります。

解剖学的知見に基づいた修正計画を提示するクリニックの確認

気をつけたいのは、状態の確認をほとんど行わないまま、その日のうちに追加注入を提案されるケース。残存物の評価には触診に加えて画像による確認が有用とされており、その過程を省いた提案は根拠が乏しくなりがちです。

カウンセリングでは、「今、何がどの層に残っていると考えられるか」「なぜその処置を選ぶのか」「ほかに選択肢はあるか」を医師の言葉で説明してもらえるかを確かめてください。当院の公式サイトでも触れているとおり、鼻や中顔面は骨・軟骨・脂肪・皮膚が立体的に重なる領域で、表面だけを整える処置では長期的な調和が得にくい部位とされています。院長は日本形成外科学会形成外科専門医および日本頭蓋顎顔面外科学会専門医の資格を有し、こうした層構造を踏まえた診療方針をご説明しています。

他院修正におけるリスク説明と同意の確認手順

修正処置は、初回の施術よりも組織の条件が複雑になりがちです。過去の癒着や線維化があるぶん、腫れや内出血が長引く、思ったほど平坦にならない、複数回の処置が必要になるといった可能性があります。溶解注射ならアレルギー反応、外科的処置なら傷跡や左右差の残存など、想定される副反応は処置ごとに異なります。

こうした内容を事前に文書と口頭の両方で説明を受け、ご自身が理解したうえで同意することが大切です。費用面についても、溶解・除去・再注入をそれぞれ別の処置として算定するのか、複数回の処置が必要になった場合はどうなるのかを確かめておくと、落ち着いて臨めます。なお、美容目的の注入や修正は原則として自由診療であり、保険適用の対象外です。疑問が残るときは、その場で決めずに持ち帰る、あるいは別の医師の意見を聞くという選択も十分に検討に値します。

よくある質問

Q. 脂肪注入の他院修正とは、どのような処置ですか。

A. 他院で受けた脂肪注入によって生じた膨らみすぎ、左右差、しこりなどに対して行う処置全般を指します。生着せずに残った脂肪が硬結化している場合は、超音波などで位置や性状を確かめたうえで、ステロイド局所注射や小切開による摘出、脂肪吸引の手技を応用した減量などを検討します。脂肪は溶解注射で分解できないため、ヒアルロン酸とは異なる対応が必要になります。

Q. 脂肪注入は10年後には消えてしまいますか。

A. 注入した脂肪のうち、血流を得て生着した分は自己組織として長く定着するとされ、生着しなかった分は数ヶ月のうちに吸収されていきます。ただし生着の程度には個人差が大きく、その後も加齢や体重変動の影響で量や形は変化します。「一定量は残るものの、形が永久に固定されるわけではない」と捉えていただくのが実際に近い理解でしょう。

Q. PRPや成長因子を用いた注入には注意点がありますか。

A. 成長因子(FGF等)を併用した注入では、組織の増生が想定を超えて進み、時間が経ってから膨らみやしこりとして現れる報告があります。これらは溶解注射で分解できず、対応が難しくなる場合もあるため、施術を検討する際は使用薬剤の内容と想定される経過について十分な説明を受けることをおすすめします。過去に受けた方は、現在の状態を一度診察で確かめておくとよいでしょう。

Q. 溶解注射をすると、皮膚がたるんでしまいませんか。

A. 注入物が減ることで一時的にボリュームが落ち、たるんだ印象になることはあります。多くの場合は数週間かけて皮膚がある程度収縮していくとされますが、長期間・大量に入っていた場合や年齢によっては、収縮が十分に得られないことも。そのため溶解後は経過を見てから次の計画を立てる進め方が一般的です。

Q. 前医に相談しにくい場合、どこに相談できますか。

A. まずは施術内容の説明やカルテ開示を求めるのが基本ですが、話し合いが難しいときは、お住まいの自治体の消費生活センターや、各都道府県の医療安全支援センターといった公的窓口を利用する方法があります。医学的な状態については、他院修正に対応している医療機関でセカンドオピニオンを受けるという選択肢もあります。

志藤 宏計

医師


KIMI CLINIC 形成・美容外科

院長

志藤 宏計

▶ 監修者プロフィール

経歴
2007年 新潟大学医学部医学科 卒業
2009年 慶應義塾大学 医学部形成外科学教室 入局
慶應義塾大学病院形成外科
東京都立小児総合医療センター形成外科
大阪市立総合医療センター形成外科 等勤務
Bloomfield hospital plastic surgery department
Oxford university craniofacial unit
Birmingham children‘s hospital craniofacial unit 留学
2022年 共立美容外科 京都院院長
2024年 KIMI CLINIC 形成・美容外科 開院
資格・所属学会
日本形成外科学会認定専門医
頭蓋顎顔面外科学会認定専門医
日本形成外科学会小児形成外科分野指導医
日本美容外科学会(JSAPS)会員
マイクロサージャリー学会会員
オンコプラスティックサージャリー学会会員
日本口蓋裂学会会員

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