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HIFUや糸で限界を感じた40代へ|たるみ複合治療の組み合わせ方
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HIFUや糸で限界を感じた40代へ|たるみ複合治療の組み合わせ方

HIFUや糸で限界を感じた40代へ|たるみ複合治療の組み合わせ方

照射や糸の単独施術で物足りなさを感じ始めた方へ

年に数回のHIFU、たるみが気になれば糸リフト。それでも半年ほどで元の印象に戻ったと感じる40代の方は少なくありません。40代の変化は皮膚だけでなく、脂肪の重み、筋膜のゆるみ、骨格の変化が重なって現れるためです。この記事では、脂肪吸引と糸リフトを同時に併用した際に組織が癒着していく仕組み、たるみのタイプ別の組み合わせ手順、ダウンタイムと費用の考え方を、形成外科の視点から整理してお伝えします。

この記事の要点まとめ

  • 40代のたるみは皮膚・脂肪・筋膜・骨格が重なって生じるため、層ごとの見極めが出発点となります
  • 脂肪吸引と糸リフトを同時に行うと、組織が癒着する過程で新しい位置が定着しやすい設計とされます
  • たるみのタイプや皮膚余剰の程度により、切開術や注入系との組み合わせ・間隔を検討する余地があります

単発施術で限界を感じる理由と顔面組織の構造変化

単発施術で限界を感じる理由と顔面組織の構造変化

骨格衰退・SMAS筋膜・脂肪層で生じる層別のたるみ現象

顔のたるみを「皮膚がゆるんだ状態」と捉えている方は多いのですが、実際にはもっと立体的な現象と考えられています。加齢に伴って上顎骨や下顎骨の骨量はわずかに減り、土台となる支えが後退していく。その上に乗るSMAS(表在性筋膜)がゆるみ、頬脂肪体(メーラーファット)が重力の方向へ移動する。そして最後に、その動きを追うように皮膚が余ってくる——こうした順序で進行するとされています。

つまり、40代のたるみは「皮膚・脂肪・筋膜・骨格」という4つの層の変化が重なって現れるものであり、どこか一層だけを扱っても全体の印象は変わりにくい構造といえます。診療ガイドラインの考え方でも、複合的な病態には原因層ごとの評価が前提とされています1

単独治療と複合アプローチの引き上げ力および作用機序の違い

HIFU(ハイフ)は超音波の熱エネルギーをSMASや皮下脂肪層の一点に集束させ、コラーゲンの熱変性と創傷治癒反応を促す機序をもつとされます。高周波(RF)は真皮全体をじんわり加熱し、肌の質感に働きかけるタイプ。対して糸リフト(スレッドリフト)は、コグ(トゲ)が組織を引っかけて物理的に移動させる「点の固定」にあたります。

作用する層も原理もそれぞれ異なります。熱による収縮には限度があり、皮膚が余っている状態では引き締まった印象を得にくいことも。糸のほうも、支えるべき組織そのものが重ければ点だけでは受け止めきれない場面があります。だからこそ、「脂肪の重量を減らす」「筋膜を引き上げる」「余った皮膚を処理する」という異なる役割を組み合わせる発想が、40代以降では現実的な選択肢のひとつになってきます。

皮膚の伸びと脂肪の重みを見極めるセルフチェック基準

ご自宅でできる簡単な目安をご紹介しましょう。まず、あお向けに寝た状態で鏡をのぞいてみてください。フェイスラインの印象が変わるようなら、脂肪や筋膜の下垂が主因である可能性があります。次に頬の皮膚を軽くつまみ、厚みがあって指の間にたっぷり入るなら脂肪量の関与、薄く伸びるなら皮膚の余剰が想定されます。

こめかみや頬骨の下がへこんで見える場合は、骨格や深部脂肪のボリューム減少が背景にあることも。これらはあくまで自己判断の入口にすぎず、実際の層別評価は触診と対面診察が前提とお考えください。当院では、こうした層ごとの見極めを診察の出発点としています。

脂肪吸引×糸リフトの同時併用における組織癒着と長期固定の仕組み

脂肪吸引の組織剥離面を糸で引き上げて固定する技術的利点

ここが、この記事で最もお伝えしたい部分です。顔の脂肪吸引では、細いカニューレ(吸引管)を皮下に通して脂肪を吸引します。このとき、皮膚と深部組織のあいだには剥離面(スペース)が生まれます。言い換えれば、皮膚が一時的に「動かせる状態」になるということ。

通常であれば、剥離した皮膚は重力に従って元の位置、あるいはやや下がった位置で落ち着いていきます。ところが同じタイミングで糸リフトを行えば、自由度の上がった皮膚組織を望ましい位置へずらしたまま保持しやすくなります。癒着が起きていない状態で引き上げるため糸にかかる抵抗が小さく、組織を移動させやすい——ここに技術的な考え方の根拠があります。

組織が癒着・定着するプロセスと単独術式を上回る持続性

剥離された組織は、創傷治癒の過程で線維芽細胞が働き、新しいコラーゲン線維によって再び接着していくとされます。目安となる期間はおおよそ術後1〜3ヶ月。着目したいのは、糸で引き上げた「その位置のまま」癒着が進む点です。点ではなく面として新しい位置が定着しやすい設計といえます。

糸リフト単独の場合、糸のコグが支えているあいだは引き上がりますが、周囲組織はもともとの位置で癒着したままのため、糸が吸収されるにつれて元の状態へ戻りやすい傾向が指摘されています。併用では、糸の役割は「癒着が完成するまでの仮固定」。癒着そのものが引き上げ位置を支える土台になるため、糸の力だけに依存しない構成となります。加えて脂肪吸引により、下垂に関わる重量そのものが減る点も設計上の要素です。

※癒着の程度や経過には個人差があり、変化の持続を保証するものではありません。

顔の脂肪吸引・糸リフト併用における適応条件と施術時の注意点

この併用が向きやすいのは、頬下部から顎下にかけて皮下脂肪の厚みがあり、皮膚に一定の弾力が残っている方。反対に、もともと脂肪が少なく皮膚だけが余っているケースでは、吸引によってかえって輪郭が痩せた印象になることがあるため、慎重な判断が求められます。

施術上の配慮としては、顔面神経の走行や、頬脂肪体・浅層脂肪と深層脂肪の分布を踏まえた吸引層のコントロールが欠かせません。吸引量を欲張らず、「引き上げるための剥離」と「重量軽減」のバランスを取る設計が要点になります1。当院は骨格から軟部組織まで扱う形成外科的な視点を診療の基本に置いており、この併用についても解剖学的な層の理解を前提に計画を立てています。

たるみタイプ別に見る複合治療の組み合わせ手順と切開選択

脂肪重み型・皮膚伸び型・骨痩せ型に分類する推奨プラン

たるみの主因によって、組み合わせの優先順位は変わってきます。

  • 脂肪重み型:フェイスラインがぼやけ、二重顎が目立つタイプ。顔の脂肪吸引で重量を減らし、同時に糸リフトで位置を保持する組み合わせが軸になります。仕上げにHIFUや高周波で皮膚の質感に働きかける流れも採られます。
  • 皮膚伸び型:つまむと薄く伸び、脂肪は少ないタイプ。糸リフトや照射だけでは余剰皮膚が残るため、切開を伴うフェイスリフトが選択肢に上がります。
  • 骨痩せ型:こめかみや頬骨下がへこみ、影が年齢的な印象をつくるタイプ。ヒアルロン酸による骨格レベルのボリューム補充や脂肪注入を土台に、必要に応じてリフト系を重ねていきます。

どのタイプでも、表情筋の過緊張が線を強めているならボトックス、肌そのものの張りには肌育注射といった補助的アプローチを添える分層治療の発想が役立ちます。

余剰皮膚が大きいケースにおける切開フェイスリフトの判断軸

「切る手術は控えたい」というお気持ちは自然なもの。ただ、余った皮膚そのものを取り除けるのは切開術に限られます。判断の目安となるのは、①耳前部や頬の皮膚を斜め上に引き上げたときに数センチ単位で余りが生じる、②糸リフトを複数回受けても持続期間が短くなってきた、③輪郭の骨切り術後で皮膚が相対的に余っている、といったケースです。

とくに骨切り後は骨格のボリュームが減る分、皮膚と軟部組織が余ります。この状態には脂肪吸引+糸リフトの併用も候補になりますが、皮膚余剰が大きい場合はSMAS層を扱うフェイスリフトが有力な選択肢となります。当院は骨格を扱う手術を得意分野としており、骨切り後の軟部組織の変化まで含めて計画を立てる姿勢を大切にしています。

同日同時施術と別日分散施術のスケジュール例と施術間隔

同日に行いやすいのは、脂肪吸引と糸リフト、フェイスリフトと脂肪注入といった、作用層が補い合う組み合わせ。麻酔が一度で済み、ダウンタイムをまとめられる利点があります。

一方でHIFUと糸リフトを同日に行うことは、熱が糸に影響を及ぼす可能性を考慮して、照射後に糸を入れたり日にちをずらす事が一般的。糸を入れたあとに照射する場合は1〜3ヶ月程度の施術間隔を空ける考え方が広く採られています。手術後の照射やヒアルロン酸注入も、腫れと拘縮が落ち着く術後3ヶ月以降を一つの目安に検討します。予定に合わせて分散させるのか、まとめてしまうのか。ここは診察で相談しながら決めていく部分です12

ダウンタイムの実際とリスク・コケを防ぐ診療体制

単一施術と複合施術におけるダウンタイム症状(腫れ・拘縮)の違い

HIFUや高周波であれば当日から通常の生活に戻れることが多いものの、脂肪吸引と糸リフトを併用した場合は事情が変わります。腫れのピークは術後2〜3日、内出血は1〜2週間ほどで色調が薄れていく経過が一般的とされ、個人差もあります。人前に出るご予定は術後2週間程度空けておくと、時間的な余裕が生まれます。

見落とされがちなのが「拘縮」。剥離面が癒着していく過程で皮膚が硬く感じられたり、部分的に凹凸が出たりする時期があり、術後2週間〜3ヶ月ほど続くことがあります。これは治癒過程の一部で、時間とともに落ち着いていく経過をたどるのが通常です。抗生剤や鎮痛薬の内服、圧迫(フェイスバンド)の指示については、事前に確認しておくとよいでしょう。

頬のコケや意図しない引き連れ事故を防止するための事前アセスメント

複合治療で留意したいのは、減らしすぎです。HIFUと脂肪溶解注射を短期間に重ねたり、脂肪吸引で吸引量を追いすぎたりすると、頬がこけて疲れた印象になることがあります。40代以降は深層脂肪がすでに減少傾向にあるため、「どこを残すか」の設計が「どこを取るか」と同じくらい重要になります。

また、糸のかけ方が浅すぎると皮膚表面に引き連れやくぼみが生じる可能性も指摘されています。こうしたリスクを抑えるには、皮下脂肪の厚み、走行するリガメント(支持靭帯)、皮膚の可動性を触診で確かめたうえで、糸の深さと方向を設計する必要があります。写真撮影による左右差の確認、表情を動かした状態での評価も事前アセスメントに含まれます。

形成外科的知見に基づいたクリニック選定と計画立案の手順

複合治療は、メニューを足し算すればよいというものではありません。順番、間隔、量、深さ——そのすべてが経過に関わってきます。だからこそ、解剖学的な層の理解を持つ医師による対面診察が出発点になります。

カウンセリングでは、①ご自身のたるみの主因がどの層にあるのか、②その根拠は何か、③提案された組み合わせの順番の理由、④想定されるダウンタイムと合併症、⑤総額の費用(麻酔・薬剤・再診料を含むか)——この5点を確認しておくと、判断材料が揃います。医療の意思決定は、根拠と選択肢の提示を前提に進めることが重視されています12。当院では、術後の経過やリスク・副作用についてもカウンセリングの時間を十分に確保してご説明する方針をとっています。ご納得のうえで計画を組み立てることが、複合治療では何より大切です。

よくあるご質問

Q1. たるみ治療では、どの施術を優先すべきですか?

A. すべての方に共通する答えはありません。皮膚の余剰が主因ならフェイスリフト、脂肪の重みが主因なら脂肪吸引と糸リフトの併用、ボリューム減少が主因なら注入系というように、主因となっている層によって検討される術式は変わります。まずはご自身のたるみがどのタイプに近いかを診察で見極めることが出発点になります。

Q2. ソフウェーブとハイフは併用できますか?

A. どちらも熱エネルギーで組織に働きかける機器のため、同日に重ねて照射することは一般的に推奨されていません。作用する深さが異なる機器を組み合わせる場合でも、皮膚への熱負荷を考慮して1〜3ヶ月程度の間隔を空ける考え方が用いられます。使用機器や設定によって方針が異なりますので、実施施設にご確認ください。

Q3. デンシティとソフウェーブはどちらを選べばよいですか?

A. デンシティは高周波(RF)で真皮全体を面的に加熱し、ソフウェーブは超音波で真皮中層に点状に作用する機器で、狙う層と作用の仕方が異なります。肌のハリや質感が主なお悩みか、引き締まった印象を重視するかによって選択が分かれるところ。優劣で決めるものではなく、目的との相性で考える領域といえます。

Q4. ソフウェーブとヒアルロン酸は併用できますか?

A. 目的が異なるため組み合わせること自体は行われていますが、注入したヒアルロン酸に熱が及ぶ可能性を考慮し、先に照射を行ってからあとで注入する順番が採られることが多くあります。すでに注入済みの部位に照射する場合は、注入時期と製剤の種類を医師に必ずお伝えください。

Q5. 脂肪吸引と糸リフトを同時に行う場合、費用はどれくらいかかりますか?

A. 施術範囲、糸の本数と種類、麻酔方法によって幅が出ます。総額を検討する際は、施術費本体だけでなく、麻酔費用・薬剤費・術後の圧迫材・再診料が含まれるかどうかまで確認しておくと見通しが立てやすくなります。具体的な金額は診察時にご案内しています。

参考文献

1. 公益財団法人 日本医療機能評価機構「Minds ガイドラインライブラリ」 https://minds.jcqhc.or.jp/

2. 国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED) https://www.amed.go.jp/

志藤 宏計

医師


KIMI CLINIC 形成・美容外科

院長

志藤 宏計

▶ 監修者プロフィール

経歴
2007年 新潟大学医学部医学科 卒業
2009年 慶應義塾大学 医学部形成外科学教室 入局
慶應義塾大学病院形成外科
東京都立小児総合医療センター形成外科
大阪市立総合医療センター形成外科 等勤務
Bloomfield hospital plastic surgery department
Oxford university craniofacial unit
Birmingham children‘s hospital craniofacial unit 留学
2022年 共立美容外科 京都院院長
2024年 KIMI CLINIC 形成・美容外科 開院
資格・所属学会
日本形成外科学会認定専門医
頭蓋顎顔面外科学会認定専門医
日本形成外科学会小児形成外科分野指導医
日本美容外科学会(JSAPS)会員
マイクロサージャリー学会会員
オンコプラスティックサージャリー学会会員
日本口蓋裂学会会員

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