
今回は、眼瞼下垂症についての解説です。
「夕方になるとまぶたが重く感じる」「昔より目が小さくなった気がする」
──そんなちょっとした変化、見過ごしていませんか?
年齢のせいだと思って放っておいたそのまぶたの症状、実は眼瞼下垂(がんけんかすい)かもしれません。
眼瞼下垂の症状があると、まぶたが下がり、視野が狭くなるため見えにくくなります。一生懸命まぶたを上げようとして、おでこや眉間の筋肉を過度に使うため、頭痛やめまい、吐き気、嘔吐、耳鳴り、眼の疲れ、眼の周りの筋肉の痙攣、歯ぎしり、歯の食いしばりなどの症状がでる方もいます。
また、視野が狭く見えにくくなることから、アゴを前に出したり、頭を後ろに傾けて見たりするようになります。そのため、首や肩、背中に負担が掛かるようになり、肩こりや首のこりが生じるようになります。
見た目にも大きな影響が出るため、「なんとなく老けた印象に見られる」「疲れているように誤解される」などの声も多く聞かれます。
今回は、眼瞼下垂の症例紹介に加え、症状や原因、治療法までわかりやすく解説します。
症例紹介


性別:男性
年齢:75歳
主訴:加齢に伴い5年ほど前からまぶたが開きにくくなってきた、日常生活に支障があるため改善したい
症状:日常の努力開眼(+)額のシワ(+)眉毛挙上(+)まぶたが黒目にかかる(+)
治療方法:手術(挙筋前転術)
担当医:志藤院長



術後の経過写真です。
術前は額の筋肉を動かして目を開いているため、眉と目の間が非常に長いことがわかります。
手術により眉と目の間のバランスが良くなっているのがお分かりいただけるかと思います。
患者様からは「まぶたの開きが改善し、見えやすくなった」と嬉しいお言葉をいただきました。
治療の目的は視野を広げるだけでなく、随伴症状である頭痛や肩こりの改善にもつながります。
手術時間:約1時間程度
主な副作用:内出血、腫れ、赤み(数ヶ月)、二重まぶたになる、左右差、違和感、ひきつれ、十分にまぶたが上がらない、周囲の知覚鈍麻、傷跡など
眼瞼下垂とは?
眼瞼下垂とは、上まぶたを引き上げる筋肉(眼瞼挙筋)や腱膜が弱くなることで、まぶたが十分に開かなくなる状態を指します。眼瞼下垂はそのステージ(軽度~強度)によって、患者様の症状へも変化があります。

軽度の眼瞼下垂
加齢による眼瞼下垂では徐々に下がってくるため、自覚症状がないことが非常に多いです。見た目の変化としては、まぶたが下がると同時に二重幅(ふたえはば)が広がることもあります。
中等度の眼瞼下垂
まぶたが黒目にかぶさるようになると、上方の視野が狭いという自覚(上の方が見えづらい)やまぶたが重い、開けづらいという自覚症状が出てきます。
強度の眼瞼下垂
黒目の中心にまでまぶたがかかるようになると、上方の視野が狭い、まぶたが重い、開けづらいといった自覚を強く感じるようになります。また、額の筋肉(前頭筋)を常に使い、まぶたの挙上をサポートしているため、前頭筋の負担が大きく頭痛や肩こりも出てくることがあります。
見た目の変化としては、以下のような変化がより強くなります。
- まぶたが黒目にかかる
- 額の筋肉を使ってまぶたを上げるようになるため、額にシワが寄り眉毛の位置が上がる
- 二重の幅が広がる
眼瞼下垂の原因は?
眼瞼下垂の原因の多くは、加齢による筋肉の衰えや腱膜の緩み、皮膚のたるみなどで生じます。
ですが、他にも以下のような要因が知られています。
- 生まれつき眼瞼挙筋の機能が低下、欠損している
- 眼瞼の手術歴や外傷歴
- 脳腫瘍などの脳疾患、顔面神経麻痺などの神経疾患、重症筋無力症などの全身疾患
- アトピー性皮膚炎などで目をこする習慣がある
- 長年のハードコンタクトレンズの装用

特にハードコンタクトレンズを長期に使用している方では、まぶたの支持構造が摩耗し、年齢層問わず眼瞼下垂のリスクが数十倍高まるという報告もあります。
また、まぶたの皮膚が薄くなりやすい体質や、パソコン・スマホなどで目を酷使している方にも進行しやすい傾向があります。
治療法について
眼瞼下垂の根本的な治療は、手術です。
当院では、まぶたの筋肉や腱膜の状態に応じて、以下のような術式を選択しています。
どの術式が適しているかは患者さんのまぶたの状態により変わります。
上記の治療法で十分な効果が得られない場合や、先天的な眼瞼下垂の場合は、前頭筋吊り上げ術(大腿筋膜移植術)を治療法として選択することもあります。
眼瞼下垂症では、視野に異常が生じない軽度なケースでは治療が必須というわけではありません。そのような場合に外見を気にして治療を受けたいのであれば、形成外科や美容外科での自費診療による手術を受けることになります。二重幅を調整したい場合も、幅を広げすぎると眼瞼下垂としての治療効果が十分に得られない可能性があるので、適切な二重幅の位置設定が重要になってきます。
眼瞼下垂が治療目的(保険診療)と判断されるのは、基本的に加齢とともにまぶたが下がって視野が取れなくなってきた場合や先天性の理由など、機能的に問題がある場合のみです。
※眼瞼下垂の手術が保険適応かどうかは、医師の判断によります
まとめ
KIMICLINIC形成・美容外科では、眼瞼下垂に関するご相談・診察を随時受け付けております。
眼科的な機能面と形成的な審美面の両面からアプローチできる当院では、機能回復だけでなく見た目にも配慮した手術をご提案しています。
保険が適用されるか自費の対応になるかは状態により変わります。
「もしかして…」と不安を感じたら、ぜひお気軽にご相談ください。





